要措置区域と形質変更時要届出区域の違い|指定後の確認点
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
要措置区域と形質変更時要届出区域の違い|指定後の確認点
要措置区域と形質変更時要届出区域の違いは、基準に適合しない汚染に加えて人の健康被害のおそれがあるかで分かれ、指定後の土地の形質変更に必要な手続も異なります。二つの名称だけで、すぐに土地が使えなくなる、または直ちに浄化が必要になると考える必要はありません。調査結果、区域指定、土地利用、届出や措置を分けて確認します。
区域指定は調査結果後の行政上の区分です。調査の入口である法第3条、第4条、第5条の契機や、法律の調査契機に当たらない任意の調査と混同しません。法定の契機に基づく調査は指定調査機関に行わせる必要がありますが、区域指定後は土地利用の手続を確認する段階になります。
根拠・確認日:土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)および土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号)は、現行版の最終改正施行日が2026年7月1日です。本文の条文は2026年9月5日に確認しています。
二つの区域の違いとは
二つの区域は、土壌汚染状況調査の結果、基準に適合しない汚染がある土地を、健康被害のおそれで分ける仕組みです。指定は公示によって効力を生じます。

| 区域 | 指定の考え方 | 形質変更で確認すること |
|---|---|---|
| 要措置区域 | 基準不適合の汚染があり、健康被害のおそれの要件にも当たる | 原則として形質変更は禁止。指示された措置を確認 |
| 形質変更時要届出区域 | 基準不適合の汚染はあるが、健康被害のおそれの要件に当たらない | 原則として着手14日前までの届出を確認 |
要措置区域の位置づけ
要措置区域は、土壌汚染状況調査の結果、汚染状態が基準に適合せず、かつ、その汚染により人の健康に係る被害が生じる、または生じるおそれがあるという二つの条件に当たる場合に指定されます。汚染があるという一点だけでは、要措置区域になるわけではありません。
知事は指定時に、講ずべき汚染の除去等の措置、理由、期限を示して、汚染除去等計画の作成・提出を指示します。汚染原因者に措置を講じさせることが相当で、所有者等に異議がない場合は、その者に指示する仕組みもあります。土壌汚染対策法第6条・第7条を2026年9月5日に確認しています。
形質変更時要届出区域の位置づけ
形質変更時要届出区域は、基準に適合しない汚染があるものの、要措置区域の健康被害のおそれに関する要件に当たらない土地です。指定されたことだけで、直ちに汚染の除去等の措置を行う区域という意味にはなりません。どのように土地を使い、形質変更を予定しているかに応じて手続を確認します。
区域の指定理由がなくなったと認められるときは、指定が解除されます。個別の区域名、範囲、指定の理由は、土地の所在地を所管する自治体が行う公示と窓口で確認してください。土壌汚染対策法第11条と同施行規則第31条を2026年9月5日に確認しています。
指定後に確認する土地利用の手続
区域指定後は、土地を使う目的と、予定する形質変更を確認します。要措置区域と形質変更時要届出区域では、形質変更に関する手続が異なります。

要措置区域での形質変更
要措置区域では、原則として何人も土地の形質変更をしてはなりません。例外には、知事の指示を受けた者が汚染除去等計画に基づく実施措置として行う行為、通常の管理行為や軽易な行為、非常災害の応急措置があります。工事の可否を土地の所有者だけで判断せず、区域指定と知事からの指示を確認します。
汚染除去等計画を提出した後、知事は提出日から30日以内に限り変更命令を出すことができます。提出者は、原則としてその期間を経過するまで実施措置に着手できません。個別の例外や工事の手順は、土壌汚染対策法第7条・第9条を踏まえ、所管の自治体窓口へ確認してください。本文の条文は2026年9月5日確認です。
区域指定の公示を見たときは、区域の名称だけで工事の可否を判断せず、指示の内容と土地利用の予定を合わせて確認します。計画を変更する場合も、区域指定時に確認した範囲と異なる部分がないかを自治体窓口へ確認することが大切です。
形質変更時要届出区域での届出
形質変更時要届出区域で形質変更をしようとする者は、原則として着手する日の14日前までに、種類、場所、施行方法、着手予定日などを知事に届け出ます。知事は届出を受けた日から14日以内に限り、施行方法の計画変更を命じることができます。届出と工事の予定日を分けて確認しましょう。
通常の管理行為や軽易な行為など、届出を要しない行為もありますが、条件は複数です。面積の合計10平方メートル以上かつ深さ50センチメートル以上、深さ3メートル以上などの条件だけを単独で判断しません。土壌汚染対策法第12条と同施行規則第50条を2026年9月5日に確認しています。
調査と措置を同じ意味にしない
調査で基準に適合しない汚染が確認されても、区域指定と措置は別に確認します。統計を読むときも、調査件数、区域指定、指示措置を同じ数として扱わないことが必要です。

指定件数と指示措置の統計を読む
環境省が2026年4月23日に公表した令和6年度の調査結果では、区域指定は合計661件でした。内訳は要措置区域83件、形質変更時要届出区域578件です。対象期間は令和6年4月1日から令和7年3月31日で、2026年9月5日に確認しています。環境省の令和6年度調査結果では、年度と二つの区域の内訳を分けて確認できます。
環境省の審議会資料では、平成22年度からの累計で報告された法に基づく調査結果13,974件のうち、区域指定に至らなかった件数と形質変更時要届出区域に指定された件数の合計は12,964件と整理されています。累計の指示措置1,019件のうち739件、73%は地下水の水質の測定です。同資料は多くの場合、汚染の除去等の措置は不要と整理しています。環境省の審議会資料は制度見直しの検討資料であり、将来の制度変更を断定する根拠にはしません(2026年9月5日確認)。
個別の区域指定は誰に確認するか
区域指定の有無や範囲は、土地の所在地ごとの公示で確認します。土地売買や工事の予定がある場合も、一般的な説明だけで区域の該当性を判断しません。

公示と所管の自治体窓口を確認する
要措置区域と形質変更時要届出区域の指定は、公示によって効力を生じます。まず土地の所在地、地番、予定する工事の範囲を整理し、所管の自治体窓口で区域指定の有無と手続を確認します。指定理由、土壌の基準値、例外行為などを記事の一般論だけで当てはめることは避けてください。
自治体の条例で法とは別の調査義務が定められている場合もあるため、所在地の自治体窓口で確認します。個別の契約や土地利用の判断は、当事者間の取り決めと専門家の判断によるため、必要に応じて相談しましょう。
公示の確認では、土地の所在地や地番と、実際に形質変更を予定する範囲が一致しているかを確認します。隣接地や過去の説明だけから区域の範囲を推測せず、最新の公示と窓口の案内を照合します。
よくある質問
区域指定後は、区域の名称だけではなく、健康被害のおそれ、土地利用、届出時期、知事の指示を分けて確認します。個別の土地は公示と自治体窓口で確認してください。

指定されると土地は使えなくなりますか
形質変更時要届出区域は、汚染があるものの健康被害のおそれの要件に当たらない区域で、形質変更には届出の仕組みがあります。土地が使えなくなる区域という意味ではありません。土壌汚染対策法第11条・第12条を2026年9月5日に確認しています。要措置区域は、形質変更が原則として禁止されるため、別に確認が必要です。
形質変更時要届出区域ではいつ届け出ますか
形質変更をしようとする者は、原則として着手日の14日前までに届け出ます。土壌汚染対策法第12条と同施行規則第48条を2026年9月5日に確認しています。個別の届出内容は所管の自治体窓口へ確認してください。
汚染が見つかると必ず浄化が必要ですか
必ず必要になるわけではありません。調査、区域指定、汚染の除去等の措置は分けて確認します。環境省の審議会資料は、累計の法に基づく調査結果について多くの場合は汚染の除去等の措置が不要と整理しています。同資料を2026年9月5日に確認しています。
まとめ
要措置区域と形質変更時要届出区域は、基準不適合の汚染に加え、健康被害のおそれがあるかで分かれます。要措置区域では原則として形質変更ができず、形質変更時要届出区域では原則14日前までの届出を確認します。土地の区域指定、工事、措置を一つにまとめず、公示と所管の自治体窓口で個別の状況を確認しましょう。
調査が必要になる入口は、土壌汚染調査が必要なケース、3,000平方メートルの届出は、土壌汚染対策法4条の届出、900平方メートルの条件は、土壌汚染の900㎡届出とはで確認できます。関連する記事は、法令・制度解説で一覧できます。
出典
- 土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)〔e-Gov法令検索〕(laws.e-gov.go.jp)
- 土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令第29号)〔e-Gov法令検索〕(laws.e-gov.go.jp)
- 環境省「令和6年度 土壌汚染対策法の施行状況及び土壌汚染調査・対策事例等に関する調査結果について」(env.go.jp)
- 環境省 中央環境審議会 水環境・土壌農薬部会 土壌制度小委員会 配布資料「今後の土壌汚染対策の在り方に係る論点②」(env.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。土壌汚染対策法の調査義務・費用相場・指定調査機関制度について、e-Gov・環境省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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