法令・制度解説

土壌汚染対策法5条の調査命令とは|健康被害のおそれからの流れ

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

土壌汚染対策法第5条は、土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事が認める土地について、土地所有者等に調査と結果報告を命ずる制度です。命令に基づく調査は指定調査機関に行わせる法定調査であり、土地利用の検討として行う調査とは制度上の位置づけが異なります。

第5条は、使用廃止や形質変更の届出とは別の調査契機です。個別の健康影響や土地の該当性を記事だけで判断せず、制度上の条件、命令、調査、結果報告の順を確認します。土壌汚染対策法と同施行規則は最終改正施行日が2026年7月1日であり、本文の条文は2026年9月5日に確認しています。

法5条の調査命令が扱う場面

第5条第1項は、健康被害が生ずるおそれがあると知事が認める土地について、所有者等に指定調査機関へ調査させ、結果を報告すべきことを命じる仕組みです。調査を希望した人が直ちに使う制度ではなく、知事の命令が起点となります。

法5条の調査命令と結果報告の流れを示す図
法5条の調査命令と結果報告の流れを示す図
調査の契機制度上の起点調査の位置づけ
第3条有害物質使用特定施設の使用廃止など指定調査機関による法定調査
第4条第3項届出後の知事の命令指定調査機関による法定調査
第5条健康被害のおそれに関する知事の命令指定調査機関による法定調査

第3条・第4条と異なる入口

第3条は使用廃止に関する場面、第4条は土地の形質変更に関する届出後の場面に関係します。第5条は、それらと別に健康被害が生ずるおそれがある土地についての調査命令を定めています。どの条文が関係するかは、土地の所在地、過去の手続、行政からの通知を整理して確認します。調査の契機全体は土壌汚染調査が必要なケースを参照できます。

命令後の調査は指定調査機関が行う

第5条の命令を受けた場合、土地所有者等は指定調査機関に調査させ、結果を報告します。命令書を受け取った人だけで対応を決めず、土地情報を管理する担当者、調査の相談先、必要に応じて工事担当者と資料を共有します。法定調査の位置づけは土壌汚染調査が必要になる主なケースも参考になります。

命令に関係する確認順

第5条に関係する情報を受け取ったときは、まず通知の内容と対象となる土地を確認します。次に、土地所有者等に関する情報、既にある調査資料、土地利用や工事の予定を整理します。通知の意味を推測するのではなく、命令書と所管窓口の案内を基準に確認します。

通知から指定調査機関への依頼までの確認順を示す図
通知から指定調査機関への依頼までの確認順を示す図

土地と通知を対応させる

土地の所在地、命令の対象となる範囲、土地の所有者等に関する情報を確認します。土地利用や工事の予定がある場合は、通知の対象地と図面の範囲を並べます。対象地を社内の通称や工区名だけで扱うと、資料間でずれることがあるため、地番や図面など、確認に使った資料を共有します。

調査と報告の担当を明確にする

調査を依頼する担当、調査結果を受け取る担当、報告に必要な資料を確認する担当を分けます。第5条の法定調査では指定調査機関が関係するため、依頼時に命令書、土地の所在地、対象範囲を伝えます。報告の様式や提出先の運用は自治体で確認し、調査結果から個別の土地利用の可否を独自に判断しません。

土地所有者等が整理すること

第5条の命令は土地所有者等に向けられる制度です。所有者、管理者、占有者に関する資料と、対象地の情報を整理し、命令を受けた後の連絡体制を決めます。土地の権利関係や個別の責任は事情により異なるため、資料をそろえて必要な専門家へ相談します。

土地所有者等と調査・報告の担当を整理する図
土地所有者等と調査・報告の担当を整理する図

指定調査機関による調査の位置づけ

第5条第1項の調査は、指定調査機関に行わせる法定調査です。土地の調査を依頼する目的が第5条の命令に基づくものか、土地利用の検討に関するものかを依頼前に明確にします。調査の実施主体や報告の扱いを混同すると、必要な資料や連絡先がずれるため、命令書と調査依頼の情報を同じ確認表に置きます。

個別の健康影響は所管窓口へ確認する

第5条は健康被害が生ずるおそれに関する制度ですが、個別の人の健康状態や医学的な影響を記事で判断するものではありません。土地に関する制度上の確認と、健康に関する相談を同じ窓口と決めつけず、命令の内容、土地の状況、所管行政の案内に沿って必要な相談先を確認します。

法定調査と利用検討の調査を区別する

第5条の命令に基づく調査は、指定調査機関に行わせる法定調査です。取引、再利用、取得の検討で調査を行う場合には、結果を何の制度に用いるのかを整理し、同じ調査として扱わないようにします。

第5条の法定調査と土地利用の検討を分ける図
第5条の法定調査と土地利用の検討を分ける図

第5条の命令に基づく場合

第5条の命令を受けた場合は、命令書を確認し、指定調査機関に調査させ、結果を報告します。命令が出るかどうかを事前に予測せず、通知を受けた時点で土地情報と工程を整理します。根拠は土壌汚染対策法第5条です。

法14条の申請を検討する場合

法第14条の区域指定申請は、法定の調査契機に当たらない土地について、所有者等が調査結果をもとに行う制度です。調査を行う者の限定は置かれていませんが、指定を受けるには公正かつ法定の方法で行われた調査と認められることが必要です。第5条の命令に基づく調査とは、根拠と手順を分けて確認します。

第5条の命令に関する資料は、対象地、命令日、調査の期限、報告の担当者を対応させて保管します。健康被害のおそれに関する判断は、土地の履歴だけで結論を出すものではなく、命令書と所管窓口からの案内を確認します。土地の所有者等、現地を利用する者、調査を依頼する者が別の場合は、命令書の内容を共有し、提出資料の所在を明確にします。法定調査の入口は、土壌汚染調査が必要になる主なケースも参照できます。

調査の開始前には、命令書に記載された対象地と、現地で確認している敷地の範囲を図面で照合します。土地の売買、賃貸、工事などが並行している場合も、命令への対応に必要な資料と契約上の資料を分けて保管します。結果の報告後に区域指定や追加の手続が関係するかは、通知を受け取ってから確認します。予定だけから将来の行政判断を決めつけません。

命令の対象地に隣接地や複数の利用者が関わる場合は、誰がどの資料を確認するかを整理します。土地の利用予定と調査のための資料を同じ担当者だけに任せず、命令書、図面、期限を関係者間で共有します。土地の形質変更に関する届出の基本は、土壌汚染対策法4条と届出の基本も参照できます。

結果の報告後に受け取る資料を確認する順序は、土壌汚染調査の結果で最初に確認することも参考になります。

まとめ

法5条の調査命令は、健康被害が生ずるおそれがあると知事が認める土地について、土地所有者等に指定調査機関による調査と結果報告を求める制度です。第3条・第4条とは異なる入口であるため、通知、対象地、調査、報告を段階ごとに整理し、所管窓口へ確認しましょう。

調査の契機は土壌汚染調査が必要なケース、届出との違いは土壌汚染対策法4条の届出、関連する制度は法令・制度解説で確認できます。

よくある質問

Q. 法5条はどのような土地に関係しますか
第5条は、土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事が認める土地に関係します。個別の土地がこれに当たるかは、土地の状況、通知、所管行政の判断により確認します。土地利用の予定や過去の利用情報だけから、記事で該当性を断定することはできません。
Q. 誰が調査を命じますか
第5条第1項の調査と結果報告を命じるのは都道府県知事です。土地所有者等や事業者が自ら命令の有無を決めるものではありません。通知を受けたときは、対象地、命令の内容、報告に必要な情報を整理し、所管窓口の案内に沿って指定調査機関への依頼を進めます。
Q. 調査は誰が行いますか
第5条に基づく調査は、指定調査機関に行わせます。調査を依頼する際には、命令書、土地の所在地、対象範囲、関係する資料を共有します。調査方法の細部や個々の分析内容は、法令と命令の内容に沿って確認し、調査結果を都道府県知事へ報告する流れを準備します。
Q. 自主調査と同じですか
第5条の命令による調査は、知事の命令を起点とする法定調査です。法第14条の申請を検討する調査は、法定の調査契機に当たらない土地について行う仕組みで、実施主体の限定は置かれていませんが、法定の方法要件があります。目的と根拠条文を分けて、結果をどの手続に使うかを確認します。

出典

本記事の出典は に内容を確認しています。

  1. 1.
    土壌汚染対策法(laws.e-gov.go.jp)
  2. 2.
    土壌汚染対策法施行規則(laws.e-gov.go.jp)