法令・制度解説

汚染土壌の場外搬出はいつ届出?法16条の確認順序

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

土壌汚染対策法第16条は、要措置区域または形質変更時要届出区域内の土地の土壌を区域外へ搬出しようとする者に、搬出の14日前までの届出を定めています。工事の予定が決まってから搬出先だけを先に決めるのではなく、区域、搬出する土壌、届出者、予定日を順に確認します。

ここで扱うのは、法第16条の届出に関する基本的な確認順序です。搬出の方法、運搬の技術的な条件、処理方法は土地の状況や関係する制度で異なるため、所管窓口の案内と必要な関係者への確認が必要です。土壌汚染対策法と同施行規則は最終改正施行日が2026年7月1日であり、本文の条文は2026年9月5日に確認しています。

搬出前に確認する四つの事項

法第16条の届出を確認するときは、区域に指定されている土地か、区域内の土壌を搬出する予定か、誰が搬出しようとする者か、いつ搬出を始めるかを分けます。土壌がある敷地と、工事を請け負う事業者の所在地だけを見て、届出の要否を決めません。

法16条の搬出前に確認する四つの事項を示す図
法16条の搬出前に確認する四つの事項を示す図
確認する事項確認する内容基礎資料
区域要措置区域または形質変更時要届出区域か指定通知と区域図
土壌区域内の土地から区域外へ搬出するか工事図面と掘削範囲
搬出者誰が搬出しようとする者か発注・施工の関係資料
日程搬出を始める予定日工程表と届出控え

区域と対象地を図面で照合する

まず、対象地が要措置区域または形質変更時要届出区域に指定されているかを、通知と区域図で確認します。調査結果が基準に適合しなかったことと、どの範囲が区域として指定されているかは、同じではありません。工事図面の掘削予定範囲と区域図を重ね、区域内の土地から土壌を出す予定があるかを確認します。

区域の名称だけで判断せず、指定通知に記載された所在地、範囲、図面の基準日をそろえます。複数の地番や隣接地がある場合は、工事名称ではなく、対象となる範囲ごとに整理します。区域の違いが不明な場合は、土壌汚染調査が必要になる主なケースも参照して、土地資料を確認します。

搬出する予定を具体化する

第16条は、区域内の土地の土壌を区域外へ搬出しようとする場合を対象にします。搬出の予定があるかを確認するため、掘削する場所、仮置きする場所、区域外に出る時点を工程表と図面で整理します。現場内の移動と区域外への搬出を同じ言葉で扱うと、必要な確認が曖昧になります。

工事内容が変わり、掘削範囲や搬出日が動くこともあります。計画段階の図面と施工段階の図面を取り違えないよう、作成日と版を記録します。予定が確定しない部分は、未確定として残し、所管窓口へ確認する時の質問を明確にします。

届出者と14日前の時点を整理する

法第16条第1項では、区域内の土地の土壌を区域外へ搬出しようとする者が、搬出に着手する日の14日前までに届出をすることを定めています。土地所有者、発注者、施工者、運搬に関わる者が複数いるときは、呼び名だけで届出者を決めず、誰が搬出しようとする者に当たるかを事実関係で確認します。

届出者と搬出予定日を整理する順序を示す図
届出者と搬出予定日を整理する順序を示す図

届出者を役割だけで決めない

契約上の発注者、現場を管理する者、実際に搬出の段取りをする者が一致しないことがあります。第16条の届出者は、搬出しようとする者です。契約書、工程表、現場の役割分担を確認し、届出名義を誰にするかを早めに所管窓口へ相談します。

届出書に記載する情報と、現場で共有する情報がずれると、搬出予定の変更を把握しにくくなります。関係者の連絡先、確認日、確認した資料を一覧にし、届出に関わる担当者と現場担当者が同じ予定日を見られるようにします。

14日前は搬出への着手日から逆算する

届出の期限は、搬出に着手する日の14日前までです。契約締結日、掘削開始日、車両を手配した日ではなく、区域内の土地の土壌を区域外へ搬出する着手日を工程から確認します。工程に余裕がない場合も、予定日を都合よく読み替えず、届出の取扱いを所管窓口に確認します。

工程が変更されたときは、変更後の日程だけを書き換えるのではなく、届出済みの内容との関係を確認します。第16条第2項には届出事項を変更しようとする場合の届出が定められています。変更の要否や時期は内容によって異なるため、変更内容と届出控えを示して確認します。

届出後も資料を対応させる

届出を提出した後は、控え、対象地の図面、工程表を別々に保管せず、同じ搬出予定に対応する資料として整理します。届出は一度提出すれば現場の情報共有が不要になる手続ではありません。掘削範囲、区域、日程、担当者に変更がないかを確認します。

届出控えと工程表を対応させる図
届出控えと工程表を対応させる図

現場の情報と届出内容を照合する

搬出に着手する前に、現場の工程表にある日付、区域図の範囲、届出控えの内容を照合します。別の工区が追加された、掘削箇所が動いた、搬出開始日が変更されたといった事情があれば、作業を始める前に届出との関係を確認します。情報が更新された経緯を残すことで、関係者間の説明もそろえやすくなります。

区域内の土壌を扱う工事では、土地の形質変更に関する届出が併せて関係することがあります。第16条の搬出届出と、他の制度上の届出を一つの書類で済むものとして扱わず、根拠条文、提出先、予定日を分けて確認します。

届出の対象外を自己判断しない

区域外へ搬出しない予定だからといって、図面上の境界や仮置き場所の理解が正しいとは限りません。区域指定の範囲、工事範囲、敷地境界に疑問があれば、通知と区域図を持って所管窓口に確認します。対象外と考えた理由も、確認した資料とともに残します。

一定規模の形質変更に関する届出とは、対象や手続の入口が異なります。土壌汚染対策法4条と届出の基本で制度を分けて確認し、工事予定から必要な確認を漏らさないようにします。

搬出計画の相談前にまとめる資料

所管窓口や関係者へ相談する前に、区域指定通知、区域図、工事図面、工程表、役割分担をそろえると、確認したい点を伝えやすくなります。内容が未確定の場合でも、確定している事実と変更の可能性がある点を分けて示します。

搬出計画の相談前にそろえる資料を示す図
搬出計画の相談前にそろえる資料を示す図

相談時に確認する質問を具体化する

「搬出届出は必要か」とだけ尋ねるのではなく、どの区域のどの範囲の土壌を、いつ区域外へ出す予定か、誰が届出者と考えているかを示します。工事全体の予定と、搬出に着手する日の予定を分けると、法第16条との関係を確認しやすくなります。

他の届出と日程を並べる

土地の形質変更、区域内での措置、区域外への搬出が同じ工事で関係する場合、それぞれの通知、届出、工程を一覧にします。ひとつの届出を提出したことだけで、他の手続が不要になるとは限りません。工事を急いでいるときほど、制度ごとの根拠と日程を区別して確認します。

搬出に関する確認では、区域指定の通知、区域図、掘削範囲、工程表、届出控えを対応させます。調査結果を受け取った後の書面と工事資料を別々に管理すると、区域の範囲や予定日の確認が難しくなることがあります。結果後の資料を整理する順序は、土壌汚染調査の結果で最初に確認することも参考になります。

まとめ

法第16条の届出は、要措置区域または形質変更時要届出区域内の土地の土壌を区域外へ搬出しようとする者が、搬出に着手する日の14日前までに行う手続です。区域、搬出する土壌、届出者、予定日を図面と工程表で分けて確認し、届出後も変更との関係を確認します。技術的な対応は土地ごとに異なるため、資料をそろえて所管窓口に相談します。

よくある質問

Q. 区域に指定されていれば必ず届出が必要ですか
第16条は、要措置区域または形質変更時要届出区域内の土地の土壌を区域外へ搬出しようとする場合を対象にします。区域指定があることだけではなく、区域内の土地の土壌を区域外へ出す予定があるかを、区域図と工事図面で確認します。
Q. 誰が届出を出すのですか
届出をするのは、区域内の土地の土壌を区域外へ搬出しようとする者です。土地所有者、発注者、施工者などの名称だけで決めず、契約資料と実際の役割を確認します。関係者が複数いる場合は、届出名義を早めに所管窓口へ相談します。
Q. 14日前は何の日から数えますか
搬出に着手する日の14日前までに届出します。工事契約日や掘削開始日ではなく、区域内の土地の土壌を区域外へ搬出し始める日を工程表で確認します。予定日の考え方に迷う場合は、届出前に所管窓口へ確認します。
Q. 工程が変わったらそのまま搬出できますか
届出後に届出事項を変更しようとする場合には、第16条第2項の変更届出が関係します。変更の内容や届出の時期は個別に確認が必要です。予定が変わった時点で、届出控え、変更後の工程表、区域図をそろえて所管窓口へ相談します。

出典

本記事の出典は に内容を確認しています。

  1. 1.
    土壌汚染対策法(laws.e-gov.go.jp)
  2. 2.
    土壌汚染対策法施行規則(laws.e-gov.go.jp)