法14条の区域指定申請と所有者全員の合意|確認の進め方
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
土壌汚染対策法第14条の区域指定申請では、申請に係る土地に他の所有者等がいる場合、あらかじめ全員の合意を確認します。第14条の申請に係る調査は実施主体の限定が置かれていませんが、知事が指定するには公正かつ法定の方法で行われた調査と認められることが必要です。合意と調査方法を分けずに確認します。
第3条、第4条第2項・第3項、第5条の法定調査では指定調査機関に調査させることが定められています。第14条は異なる入口の申請であるため、共同所有という事情だけから調査や区域指定の結果を決めつけません。土壌汚染対策法と同施行規則は最終改正施行日が2026年7月1日であり、本文の条文は2026年9月5日に確認しています。
所有者全員の合意が関わる場面
第14条第1項は、法定の調査契機に当たらない土地について、所有者等が調査結果をもとに区域指定を申請できることを定めています。その土地に他の所有者等がいるときは、申請前に全員の合意が必要です。申請者、調査を依頼する人、土地所有者等が同じとは限らないため、土地と関係者を整理します。

| 確認する対象 | 整理する内容 |
|---|---|
| 土地 | 申請に係る土地の範囲 |
| 所有者等 | 所有、管理、占有に関する情報 |
| 調査結果 | どの土地を対象にした結果か |
| 合意 | 他の所有者等がいる場合の全員の合意 |
| 申請 | 区域指定を求める手続 |
合意の前に対象地を明確にする
合意を確認する前に、申請に係る土地の範囲と調査対象地を対応させます。共有地の一部、隣接地、管理区域などの社内表現だけでは、誰の合意を確認するかが分かりにくくなることがあります。地番や図面、調査資料をそろえ、どの範囲について申請を検討しているかを関係者間で共有します。
所有者等の情報を資料で確認する
所有者等には、所有者だけでなく管理者、占有者が含まれます。共同所有、相続、賃貸、管理委託などがある場合は、名称だけで結論を出さず、土地に関する資料を確認します。同意の有効性、相続関係、契約の解釈は個別の事情によるため、登記などの資料をそろえ、必要な専門家に相談します。
合意を確認する順序
申請準備では、調査結果を受け取ってから同意を急いで集めるのではなく、土地情報、所有者等に関する情報、申請の目的、調査の位置づけを順に整理します。関係者ごとに異なる資料を見ている場合は、同じ対象地を確認できる一覧を作ると、説明の行き違いを減らせます。

土地所有者等の情報を整理する
まず、申請に係る土地の範囲と、所有・管理・占有に関する資料を確認します。調査対象地と土地情報の範囲が異なる場合は、どの範囲に関する同意が必要かを所管窓口へ確認します。関係者の一覧を作る際も、相続や共有の法的な結論を記事の一般論で決めず、確認できる事実と未確認の点を分けて記録します。
調査と申請の順序を分ける
第14条の申請では、調査結果をもとに区域指定を求めます。調査を行う者の限定は置かれていませんが、知事が指定するには公正かつ法定の方法で行われた調査と認められることが必要です。調査の実施主体、調査方法、合意、申請書の準備を一つの作業とせず、それぞれの資料を確認します。
申請準備で混同しやすい点
共同所有の土地であっても、合意の確認と、土地の権利に関する個別判断は同じではありません。また、調査結果と区域指定の申請も同じ結論ではありません。申請を考える段階では、制度上の条件を確認し、個別の契約や権利の判断は専門家へ相談します。

同意と個別の権利判断を区別する
第14条第1項が求めるのは、他の所有者等がいる場合の全員の合意です。相続の帰属、共有持分、契約上の権限などは、個別の法的判断に関わります。申請のためにどの資料を確認するかを整理しつつ、権利関係の結論は土地に関する資料を持って専門家に相談します。申請の可否を当事者間だけで急いで決めません。
調査結果と申請の役割を区別する
調査結果は、申請に係る土地の汚染状態を確認する資料です。第14条の申請は、その結果をもとに区域指定を求める手続です。知事が調査を公正かつ法定の方法で行われたものと認めるとき、指定をすることができます。調査結果を受け取った時点で区域指定の結果を決めつけず、通知と区域図を確認して次の工程を整理します。
法定調査との違いを確認する
第14条の申請に係る調査は、法定の調査契機に基づく調査とは入口が異なります。第3条、第4条第2項・第3項、第5条で関係する調査は指定調査機関に行わせる法定調査です。共同所有の事情があっても、どの条文に基づく調査かを先に確認します。

法14条の申請として扱う場合
第14条の申請として扱う場合は、対象地、調査結果、所有者等全員の合意、方法要件を確認します。法定調査の対象かどうかが不明な場合は、過去の届出、使用廃止に関する資料、行政からの通知を整理します。法定の調査契機と申請を同じ手続にせず、所管窓口の案内で確認します。
一般的な任意調査として扱わない
土地利用を検討するために調査を行う場合でも、結果を第14条の申請に使うなら、実施主体の限定がないことと法定の方法要件を併せて確認します。調査を誰が実施したかだけで、申請に使えると判断しません。調査の目的、対象地、方法、申請に必要な資料を整理して、所管窓口に相談します。
共同所有地では、土地の範囲、調査の対象地、申請に係る土地を一枚の図面で確認できるようにすると、合意確認の対象を共有しやすくなります。資料を集める際は、誰が所有者等に当たるかについて確定している情報と、追加確認が必要な情報を分けます。行政への相談では、土地の範囲と調査結果を示し、申請に必要な確認事項を尋ねます。結果後の資料の見方は、土壌汚染調査の結果で最初に確認することも参照できます。
合意確認のために集めた資料は、調査を実施した日、調査結果の対象地、申請予定地の範囲が追えるようにまとめます。関係者の説明内容に食い違いがある場合は、土地の図面と資料を確認し、事実関係を確定してから申請準備を進めます。個別の権利や契約の判断は、関係資料を持って専門家に相談します。
申請準備では、調査を実施した者の属性だけで条件を判断せず、所有者等全員の合意と法定の方法を資料ごとに照合します。確認した日付と対象地を対応させておくと、申請に係る土地の範囲を見直しやすくなります。
まとめ
法14条の区域指定申請では、他の所有者等がいる場合に全員の合意を確認します。対象地、所有者等、調査結果、調査方法を対応させ、実施主体の限定がないことと法定の方法要件を併せて確認します。共同所有など個別の事情は、資料をそろえて所管窓口と専門家に相談しましょう。
法14条の申請全体を検討するときも、法定調査の契機は土壌汚染調査が必要なケース、土地の形質変更に関する入口は土壌汚染対策法4条の届出、関連する制度は法令・制度解説で確認できます。
よくある質問
- Q. 共有者がいると申請できませんか
- 共有者がいることだけで申請できないわけではありません。第14条第1項では、申請に係る土地に他の所有者等がいる場合、あらかじめ全員の合意が必要です。誰が合意の対象になるかは土地の範囲と所有・管理・占有の情報で確認し、共同所有の具体的な権利関係は専門家と所管窓口に相談します。
- Q. 合意はいつ確認しますか
- 合意は申請前に確認します。調査結果が出た後だけに確認するのではなく、土地の範囲、関係する所有者等、申請の目的を整理する段階から、必要な資料を準備します。調査対象地と申請に係る土地がずれないように、図面や土地情報を共有し、未確認の点は早めに所管窓口へ相談します。
- Q. 相続中の土地ではどうしますか
- 相続中の土地では、誰が所有者等に当たるか、どの資料で確認するかが個別の事情により異なります。第14条の申請に必要な全員の合意を考える際も、記事の一般論だけで相続関係を判断しません。登記、相続に関する資料、調査対象地を整理し、必要な専門家と所管窓口へ相談します。
- Q. 合意の有効性は誰に確認しますか
- 第14条の手続に関する確認は、土地の所在地を所管する都道府県・政令市の土壌汚染対策法担当窓口に相談します。同意の法的な有効性、契約、相続、共有に関する判断は、個別の事実と関係資料をもとに専門家に確認します。申請に使う土地の範囲と調査結果を明確にして相談することが大切です。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.土壌汚染対策法(laws.e-gov.go.jp)
- 2.土壌汚染対策法施行規則(laws.e-gov.go.jp)