法令・制度解説

土壌汚染対策法4条の届出は誰が行う?土地所有者等の確認

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

土壌汚染対策法第4条の届出では、まず土地の形質変更をしようとする者と、土地所有者等が関わる場面を分けて確認します。第4条第3項の命令に基づく調査は指定調査機関に行わせる法定調査であり、土地利用の検討のための調査とは制度上の位置づけが異なります。

届出の担当を土地所有者という名称だけで決めると、工事の主体や届出後の手続とずれることがあります。土壌汚染対策法と同施行規則は最終改正施行日が2026年7月1日であり、本文の条文は2026年9月5日に確認しています。

届出者と土地所有者等の役割

第4条第1項の届出義務者は、土地の形質の変更をしようとする者です。土地の所有者に限らず、工事の発注関係や実際の計画によって確認する必要があります。一方、第4条第2項の調査結果提出や第3項の調査命令では、土地所有者等が関わるため、届出者と同じ人だと決めつけないことが大切です。

届出者と土地所有者等の役割を分ける図
届出者と土地所有者等の役割を分ける図
場面関係する人確認すること
届出土地の形質変更をしようとする者工事の主体と届出の担当
結果提出届出者と土地所有者等全員の同意と調査結果
調査命令土地所有者等命令、指定調査機関、結果報告
工程管理工事担当と土地情報の担当図面と予定作業の共有

届出の担当は工事の主体から確認する

届出の担当を確認するときは、誰が土地の形質変更をしようとしているかを、工事の計画と対応させます。発注者、施工者、土地を管理する担当者の名称だけを並べるのではなく、どの行為を誰が予定しているかを図面や工程表で確認します。契約上の責任や社内の委任関係は個別の事情によるため、届出者を記事だけで決めず、所在地を所管する土壌汚染対策法担当窓口に確認します。

土地所有者等が関わる場面を分ける

土地所有者等は、第4条第2項の調査結果提出や第3項の調査命令に関係します。届出の担当者が土地所有者等と同じ場合もありますが、土地の所有、管理、占有に関する情報を別に整理することで、同意や通知の確認漏れを防ぎやすくなります。届出の対象や期限の全体像は、既存の土壌汚染対策法4条の届出で確認できます。

届出前に役割を整理する順序

役割分担は、届出書を作る直前ではなく、工事範囲を検討する段階で整理します。土地に関する資料と工事に関する資料を別々に管理している場合は、対象地、予定する作業、着手予定を一つの確認表で対応させます。届出の要否と届出者の判断を混同しないことがポイントです。

工事担当と土地情報の担当が確認する順序を示す図
工事担当と土地情報の担当が確認する順序を示す図

工事の担当と土地情報を照合する

工事担当者は、予定する形質変更の場所、内容、着手予定を整理します。土地情報の担当者は、所有者等に関する資料、過去の土地利用、既存の届出や調査に関する情報を整理します。二つの情報を照合してから、届出を行う者を確認すると、土地の範囲と工事範囲の食い違いを見つけやすくなります。計画が変わったときは、変更後の情報で確認し直します。

所有関係と届出判断を混同しない

共同所有、賃貸、管理委託などがある土地では、所有関係を丁寧に確認することが必要です。ただし、所有関係の複雑さだけから届出者を決めるわけではありません。第4条第1項の届出者は土地の形質変更をしようとする者であり、誰がどの行為を予定するかが出発点です。権利関係の有効性や当事者間の負担は、資料をそろえて専門家に相談します。

調査結果提出と命令の違い

第4条第2項では、届出者が土地所有者等全員の同意を得て、指定調査機関に調査させた結果を届出に併せて提出できます。第3項では、知事が汚染されているおそれがある基準に当たると認めるとき、土地所有者等に調査と結果報告を命ずることができます。二つは同じ調査ではなく、開始する仕組みが異なります。

調査結果の提出と調査命令を分ける図
調査結果の提出と調査命令を分ける図

第4条2項の提出で確認すること

第4条第2項の提出では、届出者だけでなく土地所有者等全員の同意が必要です。また、調査は指定調査機関に行わせます。同意の対象となる人や調査の範囲は、土地の資料を確認して整理します。結果を提出できることと、個別の土地利用や工事内容を自由に決められることは別なので、届出に必要な事実と調査結果を分けて確認します。

第4条3項の命令で確認すること

第4条第3項の命令を受けた場合は、土地所有者等が指定調査機関に調査させ、結果を報告する法定の流れになります。届出を行った担当者、通知を受ける土地所有者等、調査を依頼する担当を共有し、誰がどの資料を確認するかを明確にします。命令の内容や土地の扱いは、土壌汚染対策法第4条に沿って所管窓口へ確認します。

法定調査と土地利用の検討を分ける

第4条第2項の結果提出と第3項の命令に基づく調査は、指定調査機関に行わせる法定の調査です。土地利用を検討する段階で情報を集める調査がある場合は、同じ言葉で扱わず、結果をどの制度に用いるかを整理します。

法定調査と土地利用の検討を区別する図
法定調査と土地利用の検討を区別する図

第4条に基づく法定調査の位置

第4条の手続では、届出、調査結果の提出、調査命令がそれぞれ別の役割を持ちます。第2項・第3項に関係する調査は指定調査機関に行わせる必要があるため、依頼先には届出に関する情報と土地情報を共有します。調査が必要になる場面は土壌汚染調査が必要なケースを参照し、個別の該当性は窓口に確認します。

法14条の申請を検討する場合

法第14条では、法定の調査契機に当たらない土地について、所有者等が調査結果をもとに区域指定を申請できます。調査を行う者の限定は置かれていませんが、知事が指定するには公正かつ法定の方法で行われた調査と認めることが必要です。第4条の届出や命令と同じ手続として扱わず、申請の目的と方法を併せて確認します。

届出者の確認を文書に残すときは、土地所有者、事業者、施工者などの名称を並べるだけでなく、誰がどの形質変更を予定しているかを図面と工程表に対応させます。契約や発注の形が変わる場合は、当初の役割分担をそのまま使わず、届出時点の事実を確認します。調査結果を受けた後の資料整理は、土壌汚染調査の結果で最初に確認することも参考になります。

届出を行う担当者と、工事予定を更新する担当者が異なる場合は、届出に用いた図面と工程表の版を共有します。役割分担の見直しがあるときも、提出済みの書面と現時点の予定を対応させます。届出者の判断に迷う場合は、関係者の役割を記した資料を所管窓口へ示して確認します。

まとめ

法4条の届出では、土地の形質変更をしようとする者が届出者であり、土地所有者等は調査結果の提出や調査命令の場面で関わります。工事の主体と土地情報を照合し、届出、結果提出、命令を別の段階として整理することが重要です。計画が変わったときは、変更後の資料で所管窓口へ確認しましょう。

届出の対象と期限は土壌汚染対策法4条の届出、調査の契機は土壌汚染調査が必要なケース、関連する制度は法令・制度解説で確認できます。

よくある質問

Q. 土地所有者なら必ず届出者ですか
必ずしも土地所有者だけが届出者になるわけではありません。第4条第1項で確認するのは、土地の形質変更をしようとする者です。土地所有者であることと、工事の主体であることは同じとは限らないため、工事範囲、予定作業、関係者の役割を整理し、所管窓口へ確認します。
Q. 施工会社が届出者になることはありますか
施工会社が関わる場合でも、届出者を会社名だけで決めることはできません。誰が土地の形質変更をしようとする者に当たるかは、工事の計画、発注関係、予定する行為を踏まえて確認します。届出書を作成する担当と、法令上の届出者が一致するとは限らないため、役割を資料で整理してから相談します。
Q. 共同所有の土地では何を確認しますか
共同所有の土地では、届出の担当に加えて、土地所有者等全員の情報を確認します。第4条第2項の調査結果提出を行う場合には全員の同意が必要であり、第3項の調査命令では土地所有者等が関わります。共有の内容や同意の有効性は個別の事情によるため、登記などの資料をそろえて専門家と所管窓口に確認します。
Q. 個別の届出者は誰に確認しますか
個別の届出者や届出の要否は、土地の所在地を所管する都道府県・政令市の土壌汚染対策法担当窓口に確認します。相談時には、土地の範囲、予定する形質変更、着手予定、工事の関係者、所有者等に関する情報を準備すると、必要な確認事項を伝えやすくなります。

出典

本記事の出典は に内容を確認しています。

  1. 1.
    土壌汚染対策法(laws.e-gov.go.jp)
  2. 2.
    土壌汚染対策法施行規則(laws.e-gov.go.jp)